理事長所信

宮津青年会議所 第46代理事長 高 岡 洋 輔
第46代理事長
高 岡 洋 輔

  はじめに <信念の確立>

 私が10歳の時父が亡くなった。失意の二年後に祖父を亡くした。一家の大黒柱が立て続けにいなくなった状況で何とも言えない重苦しい雰囲気の中、残された家族は経営している事業所をどうしていくのか、今後について毎日のように話合いが行われていた記憶が鮮明に残っている。漠然とした不安感はあったが必要以上の悲しさはなかった。
 しかし、その時に確信したことが一つだけあった。人生は有限であり且つ儚いものだと。 ならば自分に与えられた今この時間を精一杯悔いなく生きてみよう。失敗しても行動してみようと心に決めた。重要な決断を迫られた時、いつもその想いが背中を押してくれる。
 27歳で事業を任された。若く世間知らずゆえ随分と失敗もしてきた。今考えると無鉄砲な事もして落ち込んだことも多々あるが、積極的に挑戦した経験は今の自分にとってかけがえのない財産になっている。
 失敗を恐れず行動出来ることは若さの特権であると信じ、ある意味怖いものなしに事業に邁進していた頃、青年会議所に出会った。そこには慢心を改めてくれ、叱ってくれる先輩や、時間を厭わず助けてくれる仲間、自分に足りないものが何たるかを知る学びの場があった。活動の中では、失敗もするが常に未来志向で前向きに取組む姿勢を教わり、仕事では得ることのできない達成感を数多く体験させてもらった。そんな青年会議所活動に魅せられここまで活動してきた。JCなしには今の自分はない、そう確信している。当時、必死でJCに取り組んでいた父の姿は現在の自分へと繋がっている。
 私自身も今を大切にすることが未来へ繋がることを願って


  未来へ向かって情報発信

 青年会議所に対して公益性を重視した活動が益々求められている現在に於いて、私たちの活動を広く効果的に地域住民の方々へご理解いただくことは、今後より地域から求められ、地域に根ざした団体となっていく上で非常に重要であると考える。どのような良い活動でも知って頂かないことにはその価値は認めてもらうことは難しいだろう。
 インターネットや情報技術の発展によりあらゆる情報が簡単に手に入るようになった。一方で、直接見る、聞く、足を運ぶといった機会が減ってはいないだろうか。生の声を聞くこと、現場で感じることにはリアリティーがあり、その情報は有益かつ共感を得ることができる。そんな事を意識しながらホームページや広報誌を利用し、LOMの情報公開をはじめ、日々の活動報告や事業告知を行いたい。近年はSNSも発達し、より直接的に情報発信ができるようになった。それらツールの即時性も活かしながら情報発信することで、最前線の広報活動に努めたい。近年は、日本青年会議所の事業をはじめ京都ブロック協議会等数多くの事業が広く一般に公開されている。これらの情報も積極的に発信し、より多くの一般の方々にも有益になるよう努めたい。
 また各事業の趣旨をはじめ有意義な情報を発信しメンバーが共有することは参画意識を高め、活動の気運を高めることに繋がると考える。気運が高まれば組織は強化され、力強いLOM運営に繋がっていくと確信している。広報活動や情報発信は組織運営の要である。その誇りをもって積極的に行動し、情報に対する嗅覚を磨くことで的確な情報発信を行っていこう。
 力強い宮津JCに向けて


  未来に向かって交流活動

 多種多様な文化・言語が存在し様々な価値観の人々が暮らしている世界は魅力に溢れている。多様な価値観の一端に触れ、慣れない言葉で表現してみる等、異文化に触れることは、ほんの小さな経験でも貴重な経験であり人間としての器を大きくしてくれると考えている。国際感覚を身に着けることは、これから益々進んでいくグローバル社会に対応していくために非常に重要なものと考える。
 我々は、1989年に中華民国台北市大松山國際青年商會と姉妹締結をし、今日まで長きに渡り交流を深めてきた。年々交流を深める中で国際感覚を磨くと共に組織どうしの交流はもとより、個人レベルでも堅い絆・友情が芽生え、これらはメンバー一人ひとりの人生においてかけがえのない財産になると考えている。2013年度大松山國際青年商會は創立30周年の記念の年となる。積み重ねられた歴史・伝統に敬意を表し、記念すべき年を盛大にお祝いすると共に今後も更なる友情を持って交流していけるよう多くのメンバーとその時間を共有できればと願っている。近年はインターネット等情報技術術が発達し、世界中にいる人々がより身近に感じられるようになった。これらのツールも活かし、JCが掲げるフレンドシップの下、メンバーやOBの方々を含め交流活動で出会う全ての人との和を広げこれからの財産にしてほしいと切に願う。
 また大松山國際青年商會と私たち宮津青年会議所メンバーには、数多くの青年経済人が入会している。お互いの国への訪問を重ねる中で、新たな方向性としてお互いの仕事の事をもっと知りたいとの要望も多く、この貴重な交流を仕事に生かすチャンスを探りたい。Think Glonal Act Local 未来を担う私たち若者は広い視野で考え足下を見据えて活動する。
 そんな行動者でありたい


  まちの未来を創造する

 日本三景天橋立。府北部が全国に誇る景勝地である。古事記にも国生みの神である伊邪那岐尊と伊邪那美命が君臨したとされ、雪舟の水墨画や与謝蕪村の俳句、絵画にも多大な影響を与えている。白砂青松のこの景勝地を世界遺産に登録しようと行政・民間で運動を展開されており「日本の宝」から「世界の宝」へと脱皮を目指している。我々も天橋立を世界遺産にする会等と連携し「HAND IN HAND 天橋立」「宮津・与謝ふるさと絵巻」「LOVERS Project2010」「宝探しアドベンチャー天橋立」「一期一絵」など様々な事業を展開してきた。我々が取り組んできたこれらの活動はこの地域を好きになってほしいというシンプルで一途な想いが込められている。その想いの伝播は一朝一夕にはできないものであり引き続き継承し活動していきたい。天橋立を中心とする歴史・文化・こころは人から自然に、自然から人に相互の働きかけの中で気の遠くなるような歳月を得て先人より我々の世代へと受け継がれてきた。これは次代へと引き継いでいかなくてはならない大切なものである。天橋立のみならずその周辺には、伊根の舟屋や宮津の旧三上家住宅、与謝野のちりめん街道に代表される歴史的建造物やまちなみ、籠神社に代表される由緒ある寺社など多くの魅力に囲まれている。
 また、この地域特有の景観、文化、伝統、知恵、食文化など、あらゆるものがこの地域全体のアイデンティティーを構成する素晴らしい要素である。天橋立登録推進運動を通して、地域を見つめなおし、まだまだ隠れたこの地域の魅力・可能性を掘り起こし、それらを大人から未来を担う子どもたちまで世代を問わず幅広く発信していけるよう取り組んでいきたい。私たちが人と人を繋ぐ架け橋となることで、組織や世代を超えた共鳴が生まれ、より奥深いまちづくり運動に繋がっていくものと考える。
 この地域に愛着や誇りを持つことで、まちの未来を担う人が一人でも多くなることを期待して


  京都ブロック支援 (成長した自分に会えることを期待して)

 2013年度、宮津青年会議所は30年ぶりに京都ブロック協議会会長を輩出する名誉ある年となる。その運営には京都ブロック協議会へ出向し会員会議所会議の設営や事業への協力等、多くの役割があるが当青年会議所の歴史・伝統に恥じぬよう、しっかりと運営に協力していきたい。京都ブロック協議会への出向は、そのスケールの大きな事業に携わる中での個人のスキルアップや成長そして宮津・与謝の枠を超え京都府内全域に友情を育むことができる大きな魅力がある。積極的に出向し事業に関わっていく中で、ぜひその魅力に触れてほしいと願っている。出向者のみならず当青年会議所メンバーは会長の輩出LOMとしての誇りを胸に、京都ブロック協議会の各種事業に主体的かつ積極的に参加することで一丸となって活動を盛り上げたい。
 また私たち若者は日々成長過程であることを自覚し謙虚な姿勢で自己を磨き、成長していかなくてはこの激動の時代を生き抜いていくことはできない。
 青年会議所の役割の一つにメンバーの資質向上に努める使命があると考えている。資質向上といっても多種多様、千差万別である。しかし私が考える資質向上とは「どんな状況もそれをプラスと捉え未来への糧にしようという前向きな気概」ではないかと考える。自分自身の価値観に固執するのではなく、青年会議所の運動を通じて多様な価値観を受け入れ、どんな困難にも立ち向かっていける度量の大きな自分へと成長していく過程こそ青年会議所活動の中で学ぶことのできる大きな魅力の一つではないだろうか。青年会議所には同世代の人間として日々の活動を上手く活かしながら、青年経済人としても前向きかつアクティブに活動している仲間が数多く存在する。そんな仲間との学び・交流の場を設け、刺激を受け、お互いを高め合い、向上心を持って青年会議所活動にそして仕事に邁進してほしいと切に願っている。
 自身が成長することで会社はもとより地域から必要とされるそんな人材になれることを目指して


  未来を共に創造する仲間たち (創立50周年 新しい明日に向かって)

 昨年度、我々宮津青年会議所は創立45周年を無事に迎えることができた。45年という長き歴史をたゆまぬ努力と情熱をもって活動されてこられた先輩諸兄やその活動にご理解・ご協力いただいた行政関係、関係諸団体の皆様のおかげである。
 創立45周年記念式典の中で宮津青年会議所の地域に根ざした運動を知っていただき、これからの活動指針を広く宮津・与謝地域に発信した。
 その中で創立50周年に向けての活動指針「宮津・与謝の青年として まちの歴史・文化・こころを継承し 誇りを胸に 知恵と想像力を活かし 共に歩み 絆を深め 新しい明日のために 果敢に行動することを誓う」との宣言には、今後の活動への強い想いが込められている。この理念を継承していくためには共に明日を担い活動する同志を増やしていくことは必要不可欠である。
 勧誘活動にあたり今一度考えたい。我々は、JCという組織に誇りを感じているだろうか。可能性や価値を感じているだろうか。帰属する組織に誇りを持たなければ説得力を持つことはできないだろう。会員の拡大がままならないのは、勧誘対象者や会員のニーズに答えられていないのではないかとの観点にも立ち、あらゆる意見に真摯に向き合ってこそ打開策があると考える。現状のままで良いとの慢心があり時代のニーズに答えることができなければ、どんな組織であっても衰退の一途を辿るだろう。これまでの経験や自戒の念も込めて、顔の見えるリアルなメッセージを伝えていくことで、自らが先頭に立ち誇りをかけて、会員拡大に取り組んでいかなければならないと考えている。メンバーと連携し積極的に行動することで多くの仲間を増やしたい。
 共に未来を創る仲間に数多く出会えることを期待して


  むすびに

 現在の日本を取り巻く環境は急激な少子高齢化や人口減少等かつてない大きな変化が起きている。長引く不況は未だ出口を見出せていない。また2011年3月に発災した東日本大震災で甚大な被害を受け、原発事故に端を発する諸問題は国民生活に暗い陰を落とし国難とも言える状況にある。不況や震災は人々から希望を奪い、将来に夢や希望が持てない、昔は良かったとの声をよく耳にする。
 しかし現状に不満を言うのは簡単だ。JCは思い出を語る団体ではなく未来を語る団体である。現状が厳しいのであればどうしていくかを議論しよう。そしてJAYCEEは目の前の現実から目を背けるのではなく「未来は自分たちが切り開くのだという強い気概で、評論家ではなく行動者」であり続けたい。青年会議所は可能性の追求と目標に進む勇気、やればできるという感動を与えてくれる団体である。何か新しいことをはじめるに際し、誰もが一歩を踏み出す時は多くの不安を感じる。しかし少し勇気を出して挑戦してみよう。挑戦なくして成長はないし、その小さな一歩で喜んでくれる人が必ずいるはずである。
 その積み重ねが明るい豊かな社会へ繋がっていることを信じて

Service to humanity is the best work of life
「人の役に立ち必要とされることは人生最高の仕事である」そんな想いを胸に秘めて
私たちは輝く未来を創る行動者でありたい そんな気概と覚悟をもって





一般社団法人 宮津青年会議所
2013年度 基本方針
「基本理念」


『絆の力』〜想いをひとつに 誇れる宮津・与謝の創造!〜


基本方針

  1. 輝く未来に向かって積極的に行動しよう
  2. 輝くまちの未来を共に創り上げよう
  3. 未来のために組織の強化、活性化に努めよう

事業計画

  1. 活発なLOM運営と効果的な情報発信
  2. 姉妹JCや他団体との積極的な交流
  3. 地域の魅力を活用した誇れるまちを推進する活動
  4. 会員の資質向上に資する活動
  5. 会員拡大に関する活動
  6. 公益社団法人日本青年会議所・近畿地区協議会・京都ブロック協議会が開催する事業への積極的な参加協力

委員会活動計画

● 総務広報委員会
  • 通常総会及び臨時総会の開催
  • 内外広報誌の発行
  • ホームページの運営管理
  • 褒賞に関する事項
  • 卒業式の実施
  • 未来へ繋がる例会の開催
  • 会員拡大への積極的な取り組み
● まちの未来創造委員会
  • 地域の魅力を活用した誇れるまちを推進する事業の実施
  • 天橋立の世界遺産登録に向けた継続的な取り組み
  • 姉妹JCとの青少年絵画交流の実施
  • 未来へ繋がる例会の開催
  • 会員拡大への積極的な取り組み
● 交流渉外委員会
  • 新年互礼会の開催
  • 姉妹JCとの交流に関する事項
  • 姉妹JCホームステイの企画・実施
  • 姉妹JCとの交流会議の企画・実施
  • 家族間の相互理解に関する事項
  • メモリアルデーの開催
  • 未来へ繋がる例会の開催
  • 会員拡大への積極的な取り組み
● 京都ブロック支援委員会
  • 京都ブロック協議会の運営に対する支援
  • 会員に資質向上に関する事業
  • 未来へ繋がる例会の開催
  • 会員拡大への積極的な取り組み
  • 3分間スピーチ
● 事務局
  • 新年互礼会の開催
  • FTセミナーの実施
  • 会員拡大の実施