理事長所信

宮津青年会議所 第47代理事長 塩 野 浩 士
宮津青年会議所 第47代理事長 塩 野 浩 士

  はじめに

 宮津青年会議所は創始から46年間、「宮津・与謝はひとつ」の理念のもと、明るい豊かな社会の実現に向け、日々JC運動を展開してきた。昨今、このまちは少子高齢化、人口減少、地場産業や地域経済の低迷など、多くの問題に直面している。この厳しい時代の中でも、我々は先輩諸兄が築いてこられた基盤を活かし、時代の変化に対応しながら、守るべきもの、変えるべきものを見極めて、前を向いて活動していかなければならない。
 入会当初、私は委員会活動を通じ、メンバーのJC運動や仕事に取り組む姿勢を目の当たりにし、自分の未熟さをあらためて知った。そしてその姿に刺激を受けながら、成長を信じて活動に邁進した。何度となく壁にぶつかり、苦しくて逃げだしたい気持ちになる時もあったが、仲間の支えによって乗り越えてこられた。決して能力や器用さではない。不器用でも一生懸命に与えられた役割に向き合っていれば必ず支えてくれる仲間がいる。仲間に支えられながら、一歩ずつ経験を積んでいくことで自信となる。少しずつ芽生えた自信があるからこそ、JC運動に邁進することができると考える。
 私は自身の経験から青年会議所の魅力は「個を鍛える」というところだと考えている。人それぞれ得意なことと苦手なことがあり、得意なことを活かしながら苦手な部分を鍛え、克服することで人としての大きな成長がある。明るい豊かな社会の実現には、人の変革が鍵となる。このまちの未来を担う我々が、理想の自分に向かって挑戦する姿勢やJC運動を発信することで、身近な人の意識を前向きに変え、それが地域へと広がり、このまちが変わる。
 厳しい時代だからこそ、JC運動や仕事に理想を掲げて挑戦し、自身の成長からまちの未来を変えていこうではないか!


  規律ある組織運営と情報発信

 毎年新たなメンバーが入会し、新たな組織で活動をするJCは、様々な経験ができ個人の成長には有効である反面、各委員会同士といった横の連携がとりにくいなどの問題もある。組織の団結や絆を深める為には、自分に与えられた役割を認識し確実に実行すること、すなわち「個の規律」が重要であり、メンバーや活動が変化していく中でも、ベクトルを合わせて活動できると考える。そして、個々の役割の責任を自覚しながら活動する中で、メンバー同士がフォローし合って、組織としての規律が保たれることも考えて行動したい。そして各委員会の情報を共有し、メンバー間のつながりを強化し、組織の結束を高めたい。また、JC運動として地域にアプローチをする上で、地域からの信頼を得ることが重要である。そのためにも規律は重要であり、メンバー一人ひとりが普段の行動にも規律を意識したい。
 今日まで宮津JCは地域に根差した運動を展開し、地域へと運動を広めてきた。そして更に地域へ我々の運動を効果的に発信し継続していく為には情報の発信が必要不可欠である。事業告知をすることで事業の意義や情熱を感じてもらい事業への参加促進を図る。そして事業報告により事業の成果を発信し、我々の活動に共感を得て信頼へとつながる。これらの一連の流れが運動を発信していく過程において重要である。
 情報発信において、これまで宮津JCでは、内外広報誌、ホームページ、SNSなど、様々な手法を用いて、我々の活動を迅速かつ正確に発信してきた。それらは年々変化を重ね、現在の形まで進化を遂げてきたと考える。しかし、どんなに優れた手法を用いて有意義な情報発信を行っても、相手に伝わらなければ意味がない。これまでの情報発信の手法を活かしながらも、より伝わり方を意識して内外へ情報発信していきたい。
 規律ある組織の中で、我々の活動を地域へ広く伝えよう!


  つながりを深める交流活動

 現在、世の中はインターネットの普及により、誰もが簡単に世界とつながる事ができ、日本に居ながらも様々な情報を受発信できる。しかしこのことで世界を身近に感じることはできても本当の意味で世界とつながることはできない。つながりとは人と人とが直接対話をすることから生まれるものだと考える。
 「我々に足らないものは世界との友情だ!」この想いから、宮津JCは1989年に現在の大松山國際青年商會と姉妹締結をし、交流が始まった。そして26年間、お互いの国を年に1度ずつ訪れ交流し、言葉や文化の壁、そして距離の壁を越え、メンバー間で自分の考えや想いを伝え合うことで友情を深めてきた。上辺だけの交流ではつながりを深めることはできない。素直な自分を見せ、想いを伝えることで相手が心を開き、そして相手のことを受け入れることで信頼関係が生まれ、つながりは深まっていく。今後も大松山國際青年商會と交流していく上で、様々な人とつながりを深められるメンバーとなりたい。
 また、国際感覚を身に付け、世界との壁を取り去ることで、これからも進んでいくグローバル社会の中で目まぐるしい時代の変化にも対応できる人でありたい。
 そして我々だけでなく、次代を担うこのまちの子どもたちにも世界との友情を感じ、国際感覚を身に付けることができる機会を提供したい。
 交流活動でつながりを深められるよう、「自分を見せる」ことに挑戦しよう!


  魅力あるまちづくり

 我々が住むこのまちは、恵まれた自然や景観、歴史的建造物などの魅力に囲まれて形成されている。中でも国宝である雪舟の水墨画「天橋立図」や、成り立ちに関する神話で知られる日本三景天橋立は、長い歳月をかけてできた自然の造形美であり、眺める場所で様々な表情があることや、それらを大切に想う人の手が加わりながら守り続けてきたことなどの魅力がある。また、我々は天橋立をいつも近くに感じながら育ち、このまちを離れた時も出身地の象徴として語り続けてきた。その自然や歴史の恵みである資源や、それに付随する価値は、魅力あるまちを創造していく上で大きな可能性を秘めている。
 これまで宮津JCは、2008年から天橋立世界遺産登録推進運動として様々な事業を「天橋立を世界遺産にする会」と共に展開してきた。それらの事業は、天橋立を中心とした歴史的・文化的遺産の重要性を伝えたい、後世へ美しいこのまちを残していきたいという想いから行ってきたものである。今後もこのまちの魅力を地域に発信する活動を続け、地域住民にこのまちをもっと好きになってもらいたい。
 また、厳しい経済状況におかれているこの地域において、地域住民は目の前のことをこなすことに追われ、現代を生きることで精一杯で、理想のまちを描くことを忘れてはいないだろうか。今年は4年に1度の首長選挙の年であり、自分の住むまちの代表を選ぶ重要な選挙である。政治を身近に感じられる首長選挙の時こそ、今一度地域住民がまちのあり方について考え、行政まかせではなく住民起点のまちづくりにつながるように、自分がこのまちの主役であるという気持ちをもって政治選択できる機会を提供したい。
 様々な角度から、魅力あるまちづくりに挑戦しよう!


  会員拡大と稼業(家業)の発展

 我々宮津JCは、「明るい豊かな宮津・与謝」の実現に向け、誇れるひと、誇れるもの、誇れるまちの3つの「誇り」を機軸とした10年間の指針として「PRIDE2007〜楽志共創〜」を掲げた。そして一昨年、創立50周年に向けて掲げた5ヵ年活動指針には、活動への強い想いが込められている。この想いを継承し、これからの時代にJC運動を大きく展開していく為には、志を同じくする仲間を増やしていくことが重要となる。また、会員数の減少は様々な事業を展開し運動を発信する青年会議所において深刻な問題でもある。
 今、宮津JCに所属する全てのメンバーは、勧誘者のJC運動に対する姿勢に共感し、心を動かされ入会を決意したのだと思う。このことを心に留め、自分の活動に対する想いが必ず響くと信念をもって伝えたい。そして、想いを伝える為に行動しよう。JC歴に関係なく、メンバー一人ひとりが主体性をもって行動し、想いを伝えることに挑戦すれば必ず会員拡大へとつながっていくはずである。
 また、メンバーが日々稼業を営みながらJC運動を展開していく上で、それぞれを両立していくことは難しく、誰もがジレンマに陥る。そして稼業の事情により、時間的、経済的な理由で満足にJC運動を展開できないメンバーも少なくない。私はメンバーがJC活動に邁進するためにも、稼業の発展につながるJCでありたいと願う。JCは様々な業種のメンバーで構成されているが、稼業という観点で共通点は多くあり、良き事例、良きアドバイスから気づきを得て、行動に移し、明日からの稼業に変化をもたらしたい。そしてJCに入会すれば稼業が発展する、そんな正のスパイラルを構築すれば、会員拡大にも必ずつながっていくはずである。
 多くの同志と共に、稼業の発展に向けて挑戦しよう!


  むすびに

 私はJCに入会し、メンバーと共に活動できることに感謝している。今までに様々な壁にぶつかり悩みもがいた時間はかけがえのない経験となった。また、会議を通じて提案者の責任や苦労、論理的な受け答えを学んだ。それらの経験のおかげで人としての大きな成長を得られたと考えている。この厳しい時代、待っていてもなにも変わらないし、変化を恐れて現状維持を選んでいては必ず取り残される。そして更に厳しい時代へと変化していくかもしれない。目まぐるしい時代の変化に対応していく為にはまず自分が変わろう。JCには自分を変えるチャンスが必ずある。自分を変えたい、そんな志を持ったメンバーがいる魅力ある団体であろう。そして志高き意識変革団体として、我々メンバーは変革者であろう。人の意識を変え、このまちの未来を変えていこう。仕事、家庭、JC、迷い悩んでいるのなら挑戦しよう。理想の自分(まち)を掲げて挑戦しよう。失敗なんてない。失敗とは挑戦しないことだから。
 「自分への挑戦」壁は自分の中にある。さあ、勇気をだして一歩踏み出そう!





一般社団法人 宮津青年会議所
2014年度 基本方針
「基本理念」

自分への挑戦〜我々の成長がまちの未来を変える〜


基本方針

  1. 理想の自分(まち)を掲げよう
  2. 理想に向かって挑戦しよう
  3. 魅力ある団体となろう

事業計画

  1. 規律ある組織運営と効果的な情報発信
  2. 姉妹JCや他団体との積極的な交流
  3. 地域の魅力を活用したまちづくり活動
  4. まちの政治へ関心が深まる活動
  5. 会員の資質向上に資する活動
  6. 会員拡大に関する積極的な活動
  7. 公益社団法人日本青年会議所・近畿地区協議会・京都ブロック協議会が開催する事業への積極的な参加協力

委員会活動計画

【まちの未来創造委員会】
  • 天橋立の世界遺産登録に向けた継続的な事業の実施
  • 規律ある例会の開催
  • 会員拡大への積極的な取り組み
  • 出席奨励
【総務広報委員会】
  • 通常総会及び臨時総会の開催
  • 内外広報誌の発行
  • ホームページの運営管理
  • 褒賞に関する事項
  • 卒業式の実施
  • 規律ある例会の開催
  • 会員拡大への積極的な取り組み
  • 出席奨励
【交流渉外委員会】
  • 姉妹JCとの交流に関する事項
  • 姉妹JCホームステイの企画・実施
  • 姉妹JCとの交流会議の企画・実施
  • 姉妹JCとの青少年絵画交流の実施
  • 家族間の相互理解に関する事項
  • メモリアルデーの開催
  • 規律ある例会の開催
  • 会員拡大への積極的な取り組み
  • 出席奨励
【会員開発委員会】
  • 会員拡大の実施
  • FTセミナーの実施
  • 公開討論会の実施
  • 会員のビジネス活性化につながる事業の実施
  • 規律ある例会の開催
  • 3分間スピーチ
  • 出席奨励
【ビジョン検討プロジェクトチーム】
  • 今後の大松山國際青年商會絵画交流についての検討
【事務局】
  • 新年互礼会の実施
  • 宮津与謝青年団体ネットワークとの連携
  • 会員拡大への積極的な取り組み
  • 出席奨励